五十肩(四十肩)の症状と治療例①

肩関節痛の鑑別・診断には、1、肩関節自体の問題 2、肩部の筋腱の問題 3、腱完全断裂に大きく分けられる。この中でも[肩関節自体の問題][肩部の筋腱の問題(肩腱板完全断裂を除く)]に対して鍼灸治療が適応となります。

今回は五十肩(四十肩)ついてとその治療をご紹介いたします。
肩の筋肉や腱、軟骨などの炎症によって肩周りの筋肉が硬くなり、筋肉同士の癒着が起こり痛み・硬直による運動制限を起こすものを【五十肩】と呼びます。
肩の関節包(関節を保護するカバーのようなもの)の内面に慢性的な炎症が起こることもあります。

正式には『肩関節周囲炎』といい重度のものは『フローズンショルダー(凍結肩)』と呼ばれます。原因としては肩の筋肉の衰えが多く、40代以降、特に50代に好発するため、五十肩(四十肩)と呼ばれています。
突然発症するケースは少なく、徐々に症状が出ていき、主に片側に発症しますが、治癒した後反対側の肩に発症するケースもあります。

五十肩には上記のような原因だけでなく、打撲やむち打ち損傷(首の筋肉やじん帯などが強い衝撃で傷付いたもの)などが原因になる場合もあります。
特にむち打ち症で第3~7頚椎のいずれかに変化が生じると、この変化が肩の痛みになることがあります。
外傷が原因の場合は、時間が経過してから炎症が起こるケースもあるので注意が必要です。


五十肩になると、手を挙げる、手のひらを返すような動きで肩に痛みが出るので、髪を結ぶ、背中に手を回す、ネクタイを結ぶなどの日常生活動作が困難になり、支障をきたします。
さらに悪化すると、わずかな動きでも激痛が走り、まるで肩が凍りついたようにほとんど動かすことができなくなります。(凍結肩)


五十肩の痛みの原因は、必ずしも痛いところに潜んでいるとは限りません。
内臓が原因の五十肩を見分けるポイントは、激痛に襲われる時間帯です。
朝方に痛みが出る人、昼間に痛みが出る人、夜中に痛みが出る人など、痛む時間帯によって原因が異なっている場合が多いのです。


早朝に痛みが出る場合は、肝臓、胆嚢、腎臓など、さまざまな内臓の機能低下。
早朝と夜間の痛みがひどい場合は、胆石の可能性も考えられ、狭心症が原因となっているケースもあります。

患者さんによって痛みが増す時間帯は異なりますが、夜間と寒冷時にひどい痛みに襲われるケースが多く、頚部、前腕部、手などに痛みが広がる場合もあります。

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