ギックリ腰の症状と治療例

ギックリ腰とは腰に突発的な痛みが発生するもので、腰部の関節捻挫・筋挫傷・筋膜性炎症などの総称であり腰の痛み全般を指す一般的に用いられている名称です。


何か重い物を持ち上げようとした時や、急に腰を捻るなどの動作をした時に発生することが多く、その他にも朝起床した直後や交通事故の外傷によっても発生することがあります。

動作から起こるものだけでなく、腰椎を支える筋力が低下していたり、血行不良や筋疲労などで筋肉が硬くなっていても腰椎捻挫を起こしやすくなります。また普段の姿勢や過体重も重要な要素となってきます。
例)デスクワークでの長時間の座位や、長時間の車の運転など


直後は動くことや立ち上がることも難しく激しい痛みが数日間続き、常に痛みがあり動作時(特に後ろに反ったときに強く、制限もかかる)にはさらに激痛が走り、咳やクシャミでも痛みが増す傾向がありますが、足に痛みや痺れは出ないことが多いです。

直後に必ず行うべきことは「RICE処置」と呼ばれる処置を行うことです。
RICEとはREST(安静)・ICING(冷却)・COMPRESSION(圧迫)・ELEVATION(挙上) のことです。
基本的には保存療法が行われ、痛みに対しては消炎鎮痛剤(痛み止め)が処方され、横向きで寝て膝や股関節を曲げて痛みが楽な姿勢をとるように指導されることが多いです。

※アイシングは1回につき15~20分ほど冷やすのが良いです。冷やしすぎると皮膚を刺激し悪化してしまうこともあるので注意が必要です。


4日以上の長すぎる安静は回復を遅らせると言われており、個人差はありますが、ある程度痛みが緩和したら安静を続けるよりは適度に動くほうが早く回復すると考えられていています。ほとんどの場合は1~2週間ほどで軽快・消失しますが急性腰痛を繰り返していると椎間板ヘルニアなどを合併したり慢性腰痛へ移行することがあるので注意が必要です。



マッサージや温熱療法は炎症している部分を刺激することになり、むしろ症状を悪化させてしまう可能性があるので、急性では安静にしてアイシングなどで様子をみていただくこと、また炎症(熱感や腫れ)がある場合は、低周波治療や鍼通電療法など刺激量に注意して行い、患部(腰)は避けて、背中・お尻・大腿(モモ)などへ遠隔治療を行います。
※電気療法は抗炎症作用があるので有効とされていています。
急性症状が治ってから翌日~数日が経過し痛みが和らいできてから、お灸やマッサージなどの温熱療法で血行を促す治療を行っていきます。


注意点としては急性期は長風呂は控える、うつ伏せは控える、 飲酒もなるべく控える、コルセットや骨盤ベルトを使用する、使用する場合は外出時や動作時のみ使用して就寝時は外すようにしましょう。痛みが緩和しても腰の負担が少ない姿勢を意識してお過ごしください。

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